[兄卡/佐卡]消せない過去 (作者:のあ)

      日本同人 2005-3-17 2:44
这是俺很久(很久…………)以前找某佐卡日站要的踩点。(笑) 居然写出来了。^^
这里面卡卡是把哥哥的事情忘得一干二净了啊。

题目:消せない過去
作者:のあ @ Arcadia
配对:兄卡前提的佐卡
备注:キリリク

きっかけは、一本の巻物だった。

「・・・・・コレ、何?」

あまり整理整頓が得意ではないカカシが高く積み上げて放っておいた巻物の中から、サスケが一本の巻物を取り出した。

コピー忍者の異名をとるカカシは、写輪眼を有効に活用するべく一時期様々な秘術を記した巻物を集めては、片っ端から習得した、という過去がある。

今回もその巻物だろうと思ったサスケは、彼もまた写輪眼の持ち主であることから、術は覚えておいても損はない、とばかりに、それを開けようとしたのだった。

「・・・えっ?あっ!!それはっ!」
「・・・・・え・・・?」

少し離れた場所から、何ともなしに見ていたカカシが、巻物を見て明らかに表情を変える。
無造作に置かれていた巻物だけに、(確かに山積みの中の下のほうにあったけれど)、何らかの事情があるとは思わずに、サスケは封を解いてしまって、ハッとして彼の恋人の方へと向き直った。

「・・・コレは。・・・どうして、アンタが・・・」
「・・・そんなトコに置き去りにしてたなんて、忘れてた・・・」
「・・・答えろよ!?どうしてアンタがコレを持ってるんだよ!」

そのちょっと変わった布で巻かれた巻物は、秘術の書らしい紋様が一番最初に記されていた。
その紋様を見てしまったサスケが、思わず表情を変えたのも、無理はない。
・・・彼の実家の紋様だったのだから。

木の葉の名門うちは家の唯一の生き残りであるサスケが、存在自体も知らない秘術の書を、どうしてカカシが持っていたのか。

思わず語気を荒げて詰め寄るサスケに、カカシはバツが悪そうに俯いた。

「・・・・・カカシ!」
「・・・言わないでおこうと、思ってたんだ」
「・・・だから、何を」
「・・・嘘はつきたくない。けど、言えない過去だってあるんだよ、サスケ」
「・・・・・・・・・・」

元々、カカシは自分の過去を話したがらない。
それでも、聞いたことは(大抵は)答えてくれるから、サスケもカカシの過去を知ったつもりになっていたが、彼の知らないことが、まだまだあるらしい。

「・・・・・・・・・・」

ショックではあったが、カカシとサスケとの年齢差は14もあるし、サスケがカカシのことを知ったのだって12なのだから、サスケの知らないカカシが存在するのは、当然のことだと頭では理解している。
サスケが気になったのは、そんなカカシが後ろめたそうな表情を見せたことだった。

「・・・・・無理強いはしたくねぇけど、・・・話して欲しい」
「・・・・・・・・・・」
「・・・話したくない?」
「・・・隠しているのも辛いけど・・・聞いて楽しい話じゃないよ?」
「・・・ああ」

辛そうなカカシの表情を見て、サスケもある程度の覚悟はした。
過去はあくまで過去で、カカシは自分と共に現在を未来に向かって歩いてくれる、と約束してくれた。

だから、例えどんな話であったとしても、過去と割り切って話を聞くことができるハズで、サスケはカカシに対する想いが歪むとは思えなかったのである。

「・・・実は・・・・・」

カカシがゆっくりと話し出す過去に、サスケが思いもよらない動揺を与えられたのは、すぐのことだった・・・・・。

「はたけカカシさん?」
「・・・ああ、そうだけど?」

慰霊碑の丘に佇んでいたカカシが、幼さの残る子供にそんな風に声をかけられたのは、ある日の午後だった。

左目と親友を失った彼は、親友の亡くなる間際の願いを受けて、親友の左目を譲り受けていた。
・・・木の葉でも最も名門とされる家でも、滅多に出現させることができないとされる特異な深紅の瞳を。

「・・・あ、ボクは・・・」
「知ってるよ。うちはイタチくん。・・・だろ?」
「・・・ええ」

幼い子供ながら、優秀すぎるが故に名前だけはカカシも聞き及んでいた。
ウワサでしか知らなかったけれど、年齢よりも大人びたその瞳は、何故か寂しさを孕んでいるように思える。

「・・・オビト兄さんの写輪眼、見せていただけませんか?」
「・・・・・・・・・・」

正直、カカシにはこのセリフは聞き飽きていた。

名門うちは家に伝わる『血継限界』の写輪眼は、エリート揃いの彼らの中でも実力がなければ出現させられないもの、とされている。

うちはの一族ではあったが、取り立てて優秀とも言えなかったオビトが、任務で亡くなる間際に写輪眼を出現させることができたばかりでなく、それを一族外の人間に譲った、ということは、うちはの一族には考えられないことだったのかもしれない。

入れ替わりカカシの元にやってきては、写輪眼を見せるように言い、それを譲り受けた状況の説明をカカシに求めてくる。
オビトの願いを聞き入れ、実際移殖したリンが証人としていなければ、泥棒扱いされかねない有様だった。

「・・・コレ、だよ」
「・・・・・これが写輪眼・・・なんですね」
「・・・見るのは初めて?」
「ええ。まだボクはそんな状況の任務には参加させてもらえませんから」

残念がるワケでもなく淡々と、イタチはそう言った。
彼はすでに、中忍としてでも通用するレベルにあったのだが、まだ幼いことや、うちはの嫡男だということから、大事を取ってまだ中忍を受験させてもらえない状況にいたのだ。

「オビト兄さんの写輪眼、見せてもらえて嬉しかったです。ありがとうございます」
「・・・キミは、オビトの写輪眼が第三者の手にあるのが、イヤじゃないの?」

見て満足したらしいイタチが、そう言って頭を下げて去っていこうとするのに、カカシは思わずそんなことを呟いて、引き止めてしまった。
このときそんなことを言わなければ、また未来は少し違ったものになったのかもしれない。

「いいえ。カカシさんがもらわなかったら、ボクは見ることもできませんでしたから」
「でもオレは、うちはじゃない人間だよ?」
「・・・それでも、オビト兄さんは亡くなってしまったけれど、その前に写輪眼を出せた。・・・そのことが大事だと思いますから」
「・・・・・え?」
「・・・オビト兄さんは、うちはの中では『平凡』扱いされていたんです。・・・でも、亡くなる寸前だったとしても、写輪眼を出せた。そのことは彼が実力があった証ですから」
「・・・・・・・・・・」

ずっと、気になっていたことがあった。

目の前にいる少年も、その以前にカカシの元を訪れたうちはの人間たちも。
誰一人として、オビトの死そのものを悲しんでいる人間はいない。

オビトが出現させた写輪眼。そしてそれをカカシに残したということを話題にし、問題にしているが、オビトがもう存在しないことについては、誰一人涙をみせた者はいなかった。

「・・・オビトの死は、悲しくはないの?」
「任務での殉職ですから」
「・・・・・・・・・・」

確かに忍者の心得として定められている言葉がある。『忍者たる者、いかなるときも涙をみせるべからず』、と。

しかし、本当に近しい存在を失ったとき、それはとても守れるとは思えないと思う。

目の前で冷静に語る少年が、カカシには哀しい存在に映ったのだった。
早くに両親を亡くして天涯孤独の身の自分よりも、ずっと寂しい少年として・・・。

気になる存在から、少し年齢差はあるものの親しい友になるまでに、そう時間はかからなかった。

そして、実力を持った彼が、暗部にいるカカシに追いついてくるのにも・・・・・。

いつのまにか、写輪眼をも出現させることができるようになったイタチは、うちはの文献を調べては、その利用の仕方をカカシにも教えにきてくれるようになった。
一族外の人間には情報を漏らしたくない、とカカシを門前払いしていた本家の書庫から、たびたび秘術の書を持ち出しては、カカシにも読ませたりして・・・。

突出した才能を持つ者は、その才能ゆえにしばしば孤独に陥ることがある。
元々周囲と一線おいて育てられたイタチにとって、カカシは尊敬できる先輩であり、実力も拮抗しているために、よき友としてなくてはならない存在になっていったのだった。

そして、カカシにも・・・・・。

始めは、同情だったのかもしれない。
どこか寂しそうなイタチを、放っておけなくて、放っておいたらとんでもないことになりそうな気がして、自分が構うことで少しでもその隙間を埋められたら、という想いがあったのだが、・・・それはいつしか感じなくなっていった。

ただ、友として、互いを高めあう存在として、認識するようになっていた。
あくまでも対等な存在として。

・・・イタチが、あんな事件を引き起こす直前まで。

「・・・アイツと、付き合っていたのか・・・?」
「・・・・・。恋人っていうワケじゃないけど、・・・そうとも言えるかもね」

イタチがうちは本家の長男である以上、カカシとだけ・・・ということは許されることではなかったし、カカシもそんなつもりはなかった。

単なる友情が行き過ぎたのはいつだったかは思い出せないが、子供からオトナに変わっていく時期に、イタチが最も親しくしていたのが、たまたまカカシだった、ということだと思っている。

親しくしていたのに、イタチの変化に気がつかなかった自分を、あの当時、カカシは責めた。
イタチが、カカシが里にいない時期に事件を起こしたのが意図的なものなのかは、最早知る術はない。
けれど、カカシが初めてイタチに逢ったときに感じた違和感は、彼の凶行の前兆だったのかもしれず、それに気がついていながら彼を止められなかった自分が、カカシは不甲斐なく思っていた。

忘れたつもりだった過去は、運命の悪戯によってカカシの恋人となったサスケによって思い起こされてしまった。
イタチの実弟であるサスケによって・・・・・。

「・・・イタチに借りた、うちはの秘術書。まだ残ってたんだね」
「・・・・・・・・・・」
「・・・サスケには話せなかった。話したくなかったし、オレも忘れたかったから。・・・アイツのこと」
「・・・・・・・・・・」
「消したくても、過去は消せない。・・・イタチとのことは、オレにはどうしようもないから。・・・サスケが嫌悪したとしても、オレは責める権利もないよね」
「・・・・・・・・・・」

無言のままのサスケに、カカシが苦しげに紡ぎ出す。
これで終わりなのかもしれない、と、心のどこかで覚悟しながら。

「・・・アンタは俺に、アイツを重ねてた?」
「まさか。・・・サスケはイタチと全然違う。・・・アイツに感じたと思った『孤独』は、狂気を隠すためのものだったんだと思うし、サスケはサスケだ。アイツのようにはならないし、ならなかったろ?」

強さを渇望するあまり、人間としてどこか心が壊れてしまったイタチと、同じようになりかけながらギリギリで戻ってきたサスケとでは、同じようでいて全く異なる。

彼らが出会うことになったのは全くの偶然で、イタチとのことは誰にも話していなかったため、サスケを受け持つことになったのもカカシの意図したことではなく、三代目の命令だった、ということを、カカシは唇を噛み締めながら説明した。

自分たちの過ごしてきた月日を、誤解してほしくはないから。

「・・・畜生!」

バンッ、と大きな音を立てて、壁に投げつけられた巻物は破れ落ちる。
それにクナイを3本打ち込んで、サスケは素早くカカシの元に駆けつけると、その身体をソファに押し倒した。

「アイツなんか、忘れろよ!」
「・・・忘れたよ」
「俺のことだけ・・・・・っ」
「・・・サスケのことしか覚えてないから」
「・・・・・・・・・・」

噛み付くように荒々しくカカシに口付けて、サスケはカカシの身体全身をまさぐった。
彼の身体からイタチの痕跡を全て拭い去るように。

過去は確かに消すことができない。
けれど、一番大切なのは、現在と未来なはずである。

貪るように互いを求め合いながら、カカシとサスケは、死者からの呪縛から逃れるために、片時も離れようとはしなかったのだった・・・・・。

END

ヒナツさまリク、『イタカカ前提サスカカ(シリアス)』。
シリアスっていうより、アダルトで狂気な感じが・・・。
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